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2008年 08月 20日
最近任地訪問が続いています。
青少年活動隊員、ケンさんの任地へお邪魔しました。 彼の活動先、san jose de la montaña(サンホセ デ ラ モンターニャ)は、わたしの住んでいるエレディアからバスで30分。とても近いところにあります。以前彼は週に1回山からエレディアに降りてきて、ナショナル大学でスペイン語を習っていました。彼と私の先生が同じだったこともあって、一緒に日本食パーティーをしたり、気軽に相談などをしたりできるとてもいい距離感のお兄さんです。 彼の配属先は、主に孤児が通うキリスト教系の私立の小学校。厳密に言うと孤児ではなく、親はいるのですが、いろいろな諸事情から親元を離れて暮らしている子達。敷地内にある宿舎に住んでいます。でもほかにも近所の子達も通っています。 全学年1クラスで、だいたい6学年全部で100人ぐらい。 私立の学校ですが、政府の援助も認可も受けていますし、先生たちも教育省から派遣されている、日本でいうなら教員採用試験を通った人たちです。 ケンさんはここで週に何コマかを担当し、日本語や日本文化を紹介したり、授業後に一緒に遊んだり野球をしたりしています。 私がお邪魔した日は、6年生と3年生のクラスでケンさんが担当するクラスがありました。 朝7:00から授業が始まります。たぶんほかの中南米諸国もそうだと思いますが、始業時間が早いです。 この日は1時間目に算数のテストがあるということで、私は2コマ目が始まる時間にお邪魔しました。 着いた時ちょうど休み時間で、子どもたちが遊んでいました。 私たちが歩いていると、あちらこちらから「ケン!ケン!!」と呼ぶ声が聞こえます。 バーっと走ってきて「ケン、この人だれ?名前は??」と聞く子達。 「自分で聞きなよ」ケンさんにうながされ、恐々私に「¿Cómo se llama?(お名前は?)」。 怖いながらも近づいてきて話しかけてくる子もいれば、遠巻きに見てる子もいます。 何人かの子どもたちとそんなやり取りをしていたら、チャイムが鳴って授業開始。 ここの学校では、授業が始まるときごとに外に全員が集まり、校長先生の話を聞き、それからクラス毎に教室へ入って行きます。 チャイムが鳴ったからといってすぐに集まるでもなく、なんとなくダ~ラダラ。それもやっぱりここならではの時間です。 校長先生が私を紹介してくれました。そしてビックリ!!校長先生に促されて子どもたちがいったのは、「おはようございます」。思わずケンさんの顔を見てしまいました。そのあとで学校の校訓みたいなのをみんなで言うのですが、何とそれも日本語。子どもたちはソラですらすら言います。ケンさんのこの学校での活動ぶり、その浸透ぶり、影響力を目の当たりにして、出だしからたまげてしまいました。 校舎の壁には、お祈りの文句がスペイン語、英語、そして日本語で書かれて貼ってありました。 まずお邪魔したのは六年生のクラス。 15人ぐらいでしょうか。 担任の先生も教室にちゃんといます。 始めに自己紹介をしました。日本語教師だということをいうと、子どもたちの目がキラキラ。 ケンさんが普段からちょっとずつ日本語を教えていて、みんな日本語が大好きです。なんと、日本語用のノートをもっていました。 私が名前をローマ字で書いたら、「ひらがなも」。ひらがなで書いたら「漢字も」。 「みんな見よう見まねだけど、けっこう書くんだよ。」とケンさん。 ノートを覗くと、一生懸命真似た文字が躍っていました。 「これでいい?わかる??」 確認してくる子どもたち。ほんと、かわいいし、その勉強する姿勢に頭が下がります。 こどもって、すごい・・・。 私たちは事前の打ち合わせどおり、ちょっとした日本語のクラスをしました。 まだ習っていないと言うことで、自己紹介の練習です。 ケンさんの板書をどんどん写していきます。 「どうぞ よろしく」の「よろしく」が難しいようでした。でもさいごには、ひとりずつ自己紹介をすることができました。さすが6年生、飲み込みが早いです。実は来る前までは、動き回る子がいたり、全然こっちの話を聞かない子がいたりするんだろうな~、なんて勝手に想像していましたが、そんなことはまったくなくとても「ちゃんと」していました。そこにもちょっと感動。 まだ時間がある、ということで、何がしたい?ときくと「歌!!」 カエルの歌を教えました。 日本のカエルの鳴き声は「クワッ」と「ゲロゲロ」なんだよ。というと、 コスタリカは「クルワッ」だよ。なんて教えてくれたり。こういうのも国によって違うので、いい発見です。 すぐにこの歌もおぼえ、みんなでハモりました。 それから女の子対男の子で、どっちが上手に歌えるか、と競争にもなりました。 一つのことを教えて、自分たちでどんどん楽しみ方を創造していく、そういう子どもの能力にこれまたビックリ。 後半は外に出て、今子どもたちの間で流行っている「クワトロ」というボール遊び。 先生も交じって遊びます。こういうのって、大切。 とても単純な遊びなのですが、みんな白熱。 ケンさんいわく「いつもケンカになっておわる.....」。 次に、3年生のクラスにお邪魔しました。 6年生に比べると、やっぱり小さいです。 でも。 日本と違ってみんなが一斉に進級するわけではないコスタリカの教育システム。 成績が悪かったり、出席がたりなかったり、学校に来られなくなったり、いろんな理由から進級できない子がいます。 ちなみにさっきの6年生のクラスにも14さいになる子がいました。「私、去年進級しなくて2度目なの」と普通に話しているところを見ると、これは一般的なようです。 この3年生のクラスにも、9歳の子と11歳の子がいましたが、それについてみんななんとも思っていないようです。ふつうに接して、ふつうに友だちです。 さっきもいいましたが、ここは親元を離れた子達の学校ですが、中にはこの近所にすんでいる子たちも通ってきています。子どもたちの間でなんの偏見・差別もないですし、親も「あそこの学校は・・・」なんて特別視したりしません。 日本では同じであることに重きを置き、ちょっとでも違うとすぐに偏見を持ちがちですが、コスタリカのこういう差別や偏見を持たない部分って、本当に素晴らしいと思います。 さて、3年生のクラスでも「ケン、ケン」とひっきりなしです。 みんな、本当にケンが好きなのがよくわかります。 さっきと同じ日本語の自己紹介をしました。 クラスが始まってすぐ、半分ぐらいの子達は9月15日の独立記念日のパレードの練習に行ってしまい、残った子達とやりました。 時々担任の先生に呼ばれて、さっきの算数のテストのやり直しをする子もいました。 こちらでも、やっぱりひらがなをがんばって書いてくれていました。でも、やっぱりそこは3年生。集中力があまりもちません。すぐにバラバラになってしまいます。 それから折り紙をしました。 これまた「カエル」。 作っている途中で、昼ごはんの時間になってしまいました。 でも、子どもたちは先に進みたくて「次は?次は?」と聞いてきます。「相手にしているとキリがないから。」ということで、それをなんとかなだめすかし、食堂へむかいました。 食堂では各「家(宿舎)」ごとにテーブルにわかれます。 そして各家で食事を作っているおばさんたちがお皿を並べて待っていました。 余談ですが、各家には子どもたちにとって仮の「お父さん・お母さん」もいます。本当の夫婦なのですが、この家(宿舎)にすんで、親と離れて暮らしている子どもたちをしつけたり、話を聞いてあげたりするんだそうです。これもキリスト教の活動の一環なんだそうですが、やっぱりけっこうしんどく、やめたくなっても次の「父・母」が見つからないとやめられないんだとか。 1人2人ではない子どもの面倒を見るのは、本当に大変なんでしょう。 子どもたちが続々と集まってきて、テーブルに着きます。ケンさんも担当の家があるようで、おばさんがよそるのを手伝ったり、子どもたちに配ったり。 先生の号令で、食事前にお祈り。 そして、一斉に食べ始めます。 以外にもみんなおとなしく、静かに行儀よく食べていたのでビックリしていたら、「今日はこの学校のdueña(ドゥエーニャ 理事長みたいな人)が来たからだよ。彼女はいつもすごく怒るからね。」とのことでした。 本当なら午後も授業があるのですが、この日は先生たちの会議でこれでおしまい。 子どもたちが去ったあと、先生たちの食事となりました。 この日のメニューは「olla de carne(オジャ デ カルネ)。イモ類と肉のスープ」。私もいただきました。 普段なら、子どもたちを食べさせ、休み時間一緒に遊んだあと食事するとのこと。 「自分が何のためにここにいるのか目的がはっきりしない。」と言って、ずっとケンさんは悩んできたそうです。自分が授業をしていると、中にはここぞとばかりに逃げ出す先生もいたり、ほかの短期で来ているボランティアたちと同じ、ただのお手伝いだと思われていたりしたそうです。今でも何コマかクラスを持つかたわら、道の整備や草刈などの土木作業も手伝っているそう。どこにも自分の居場所がなかったため、図書館の一角を改造して自分スペースを作り、そこに作った教材や日本から持ってきた遊具などを置いていました。 来た頃は、言葉もたいしてできなかったため子どもたちにもなめられて、言うことを聞いてくれなかったそうです。子どもたちと同じ宿舎に住んでいたためプライベートがなく、部屋にいてもノックされたり外の騒ぎ声が聞こえたりして、まったく落ち着かなかったとか。子どもといると楽しいのですが、すごくパワーを使うため疲れてしまう。 それから外の家にホームステイし、やっとくつろぎのスペースを得ました。でも、「残り半年は宿舎に戻って子どもたちと暮らそうと思っている」とケンさんは言います。始めはどうしていいか分からず離れた場所だけど、やっぱりそこが、子どもたちが、好きなんですね。 悩んでもがいた末にたどりつた「宿舎に戻って子どもと過ごす」。すごい結論だと思う。「何のためにここにいるのか」。その答えはもうしっかり、あなたがここにいた足跡はもうしっかり、子どもたちに現れています。私は本当にビックリしたもの。あなたが教えた日本語、日本文化、遊び、日本から寄贈された道具で、手作りホームベースでやっている野球、そしてなんといってもみんな「ケン、ケン」と言って走り寄ってくるところ。ちゃんとした役割がなくても「そこにいるだけ」で、本当にすごい影響なんだと思います。そしてそれは、ケンさんだからなんだと思います。きっと、子供の頃に日本のお兄さんが来て、いろんなことを教えてくれたりいろんなことを一緒にやった、という記憶は子どもたちの中にずっと生き続けて、彼らの人生に潤いを与えることでしょう。 今日は本当に楽しかった。 子どもたちの笑顔、本当にパワーをもらった。 また、おじゃまします!!
by momine2
| 2008-08-20 08:54
| コスタリカ イベント
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